民族共生象徴空間
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2020年4月24日
北海道白老郡白老町にオープン
民族共生象徴空間

アイヌ文化の振興や普及啓発は、1997年のアイヌ文化振興法の施行により、北海道内の各地域を中心に様々な取組が展開され、また、アイヌ文化伝承活動の裾野拡大等の一定の効果が現れたものの、伝承者が減少し、アイヌ語や伝統工芸等、存立の危機にある分野が存在しているとともに、未だなお、アイヌの歴史や文化等について、国民各層の幅広い十分な理解が得られていないといった基本的な課題に直面しています。
このような背景を踏まえ、「民族共生象徴空間」は、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長:内閣官房長官)が2009年7月に取りまとめた報告書において、アイヌの人々が先住民族であるとの認識に基づき今後展開されるアイヌ政策の「扇の要」として提言されました。
「民族共生象徴空間」は、アイヌ文化を復興するための空間や施設を整備するというものだけではなく、我が国の貴重な文化でありながら存立の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させる拠点として、また、我が国が将来に向けて、先住民族の尊厳を尊重し、差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴として、複合的意義・目的を有する空間として整備されるものです。
位置

「民族共生象徴空間」の中核区域は、北海道白老郡白老町若草町のポロト湖畔です。
中核区域には「国立アイヌ民族博物館」と「国立民族共生公園」が、ポロト湖東側の太平洋を望む高台には「慰霊施設」が、それぞれ整備されます。

アクセス
「民族共生象徴空間」は、札幌都心から約1時間30分、新千歳空港から約40分の好アクセス!
東京・大阪から(空路)
  • 東京札幌(新千歳空港)
    1時間40分(1日52便)
  • 大阪札幌(新千歳空港)
    2時間(1日10便)
北海道内各都市から(陸路・鉄路)
  • 札幌都心白老
    高速道路で約1時間30
    JR特急で約60
  • 新千歳空港白老
    高速道路で約40
    JR特急で約30
  • 函館白老
    高速道路で約3時間
    JR特急で約3時間
※所要時間は目安です。また、待ち時間・乗り換え時間は含んでいません。
機能
「民族共生象徴空間」は、アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとして、長い歴史と自然の中で培われてきたアイヌの文化を多角的に伝承・共有すること、アイヌの人々の心のよりどころとなること、国民全体が互いに尊重し共生する社会のシンボルとなること、国内外の多様な方々、子供から大人まで幅広い世代がアイヌの世界観、自然観等を学ぶことができるよう、そのための機能(①展示・調査研究機能、②文化伝承・人材育成機能、③体験交流機能、④情報発信機能、⑤公園機能、⑥精神文化尊重機能)を備えた空間の形成を目指します。
国立アイヌ民族博物館

※本イメージ図は、設計段階における案であり、変更の可能性があります。


日本国内には、東京、京都、福岡などに全部で7館の国立博物館があります。
国立アイヌ民族博物館は、北海道では初めて作られる最北の国立博物館です。

国立アイヌ民族博物館では、伝統的なアイヌ文化を一面的に展示するわけではありません。現代に息づく多様なアイヌ文化とそれに関わる人々をさまざまな視点から紹介します。北海道から世界へアイヌ文化を発信し、未来のアイヌ文化の創造に寄与します。
博物館の理念

国立アイヌ民族博物館は、日本の先住民族であるアイヌの尊厳を尊重し、
国内外にアイヌの歴史・文化等に関する正しい認識と理解を促進するとともに、
新たなアイヌ文化の創造及び発展に寄与する。

展示構成
アイヌ文化への興味や好奇心をかき立てる「導入展示」が、来館者の皆様を展示室空間へといざないます。 また、基本展示室の中央には、代表的な資料を通してアイヌ文化を一望できる「プラザ展示」を配置し、アイヌの人々の視点で語る「6つのテーマ」に沿って、過去から現代までを一体的に紹介します。「子ども展示」では、6つの展示テーマに対応するアイテムを手に取ってみたり、遊んでみたりすることで、体感的にアイヌ文化について学ぶことができます。
アイヌの人々の視点から「私たちの~」という語りで始まる6つのテーマ展示
  • 私たちのことば
    アイヌ語とはどのような言語なのか、日本語との関わり、アイヌ語由来の地名などから、アイヌ語という「ことば」を紹介します。口承文芸や、危機言語であるアイヌ語の復興についても取り上げます。
  • 私たちの世界(信仰)
    アイヌの世界観の中心となる、カムイ(神)の考えかた、自然観、死生観などについて紹介します。また、イオマンテ(霊送り儀礼)をはじめとする儀礼について、使われる道具や儀礼のもつ意味を通じて、アイヌの世界観にふれていきます。
  • 私たちのくらし
    衣食住、人の一生、音楽や舞踊など、アイヌ文化の特色や地域差を、さまざまな資料やAR技術を通して紹介します。また、それらの文化伝承に携わる現在のアイヌの人々についても紹介します。
  • 私たちの歴史
    地図と年表が連動する「ヒストリーウォール」を体験しながら、現代に続くアイヌの歴史のひろがりと連なりを視覚的にわかりやすく紹介します。
  • 私たちのしごと
    生活の根となる「しごと」について、狩猟、漁撈、採集、農耕といった伝統的な生業にふれていきます。そこから現在を生きるアイヌの人々の仕事まで通して見ていくことで、伝統文化が変容しながら現代までつながっていることを紹介します。
  • 私たちの交流
    アイヌの人々は、まわりの民族と交流を行ってきました。交易品を通じて、さまざまな文化や民族との交流をたどっていくとともに、現在に続く民族共生のありかたを見ていきます。

国立民族共生公園
国立民族共生公園は、自然と共生してきたアイヌ文化を尊重し、多様な来園者の理解を促進するとともに、豊かな自然を活用した憩いの場の形成等を通じ、将来へ向けてアイヌ文化の継承および新たなアイヌ文化の創造発展につなげるための公園です。
「アイヌ文化の理解と交流を促す空間」「アイヌの自然観に触れる空間」「アイヌの伝統的な生活を体感する空間」の3つのテーマを設定し、アイヌの伝統的家屋「チセ」(アイヌ語で「建物」の意)を再現しアイヌ生活を体感する「コタンゾーン」、アイヌ古式舞踊(ユネスコ無形文化遺産)を観ながら体験交流できる「体験交流ホール」、木彫等のアイヌ文化を体験できる「工房」などの施設からなる体験型のフィールドミュージアムです。
さらに、ポロト湖周辺の豊かな自然環境、美しい景観を活かしながら、アイヌの自然観に触れることができるゾーンを整備。アイヌの方々との対話や交流を通じて、異なる民族がお互いに尊重し、共生する社会のシンボルとなる空間を目指します。
豊かな伝統を未来へとつなぐ、多彩な体験交流プログラムがあなたをお待ちしております。
体験交流施設~体験交流ホール・体験学習館
体験交流施設は、自然と共生してきたアイヌ文化への理解を深める場として、「体験型フィールドミュージアム」の中核を担います。
  • 「体験交流ホール」は、アイヌ古式舞踊(ユネスコ無形文化遺産)やムックリ(口琴)やトンコリ(五弦琴)の演奏等の公演を通じて、国内外からの来園者の皆様と演者による「顔の見える交流」を促進します。
    ステージの背景として、ガラス越しにコタンゾーン及びポロト湖を望むことができ、公園周辺の豊かな自然と四季折々の風景が各プログラムに華を添えます。
    客席は、固定席、稼働席及び立ち見席を合わせて500席程度、国際会議等の多目的利用も可能です。
  • 「体験学習館」では、修学旅行生をはじめとする団体のお客様を対象に、アイヌ語、ムックリ(口琴)演奏、伝統的生業体験、木彫・刺繍製作など、多彩なプログラムを通じてアイヌ文化に触れていただくことができます。
    また、小さなお子様向けには、アイヌ文化を遊びながら楽しく学んでいただくことができる「キッズプログラム」をご用意してお待ちしております。
コタンゾーン~伝統的家屋(チセ)群・工房
アイヌの伝統的家屋「チセ」(アイヌ語で「建物」の意)等を再現し、狩猟・採集、耕作などの伝統的生業、カムイノミをはじめとする伝統的儀礼等を通じて、アイヌの伝統的な生活空間を体感いただくことができるエリアです。
コタン(アイヌ語で「集落・村」の意)でのアイヌの暮らしが息づく空間の中で、口承文芸の披露や、その昔アイヌの子供たちが楽しんだ遊びの体験等を通じて、アイヌの方々と来園者の皆様とによる対話や交流を促進します。
また、併設される「工房」では、アイヌの方々が受け継いできた木彫や刺繍、織物等の伝統工芸品の製作風景の見学のほか、来園者の皆様にも工芸品の製作を体験いただくことができるメニューをご用意いたします。
エントランス・チキサニ広場・芝生広場
「いざないの回廊」「歓迎の広場」を抜けて、その先のエントランスにて、来園者の皆様を「民族共生象徴空間」にお迎えします。
「エントランス」は、アイヌ文化への「入口」となるガイダンス機能のほか、レストランやショップなど、来園者の皆様に快適にお過ごしいただくためのサービスを提供いたします。
チキサニ広場・芝生広場は、ポロト湖畔の美しい景観や豊かな自然を活用した、来園者の皆様の憩いの場、また、屋外でのアイヌ古式舞踊披露等、様々な体験交流活動やイベント等のための広場です。
※各施設のイメージ図等は、設計段階における案であり、変更の可能性があります。
教育関係者のみなさまへ

国立アイヌ民族博物館及び国立民族共生公園は、子どもたちに寄り添う学校教育に即した学習プログラムや教材教具を開発していきます。

学校教育におけるアイヌ文化の学習、博物館の活用
アイヌ文化
中学校新学習指導要領(社会)では、「(略)オランダ、中国との交易のほか、朝鮮との交流や琉球の役割、北方との交易をしていたアイヌについて取り扱うようにすること。その際、アイヌの文化についても触れること。」と記述され、「交易」だけでなくアイヌ文化についても学ぶことが追加されました。
小学校社会科においても、指導要領解説では「先住民族として言語や宗教などで独自性を有するアイヌの人々の文化についても触れるようにする。」とあり、小学6年生の歴史学習でアイヌ文化を学ぶことが追加されました。
博物館
新学習指導要領では、小学校中学校ともに「主体的・対話的で深い学びへの授業改善」の一つとして、「博物館、美術館、劇場、音楽堂等の施設の活用を積極的に図り、資料を活用した情報の収集や鑑賞等の学習活動を充実すること。」とあります。このことから、小学校では、社会科、理科、生活科、図工、総合的な学習の時間および特別活動で、中学校では、社会科、理科、美術科、技術家庭科、総合的な学習の時間および特別活動で博物館を活用するよう求められています。

国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園は、学校と博物館の連携「博学連携」を進め、社会科や美術科に限らず、理科、図工、技術家庭科、総合的な学習の時間、特別の教科道徳などでも教育活動を展開していきます。
国立アイヌ民族博物館・国立民族共生公園「と」できること
ツアーガイド、スポットガイド、ワークショップ、アイヌ舞踊鑑賞・体験、木彫刺繍等の体験、アイヌ伝統料理の試食・調理体験など、国立アイヌ民族博物館及び国立民族共生公園は、来園者の皆様に活用いただける様々な学習機会を提供します。また、私たちの学習資源を活かした授業が展開できるよう、事前や事後を含めた単元全体の授業をサポートするカリキュラムや体制を整えます。